世界遺産となった「美しき塔の町」

イタリアの人気観光都市フィレンツェから南へ行くこと約50km。起伏に富んだ丘陵地帯の中に、突如、塔の立ち並ぶ町が現れたら、それがサン・ジミニャーノです。大きさは南北が1kmで、東西は約500m。数字で見ても、その小ささが分かろうというものですが、何とその町に14本もの塔が立っているのです。訪れてみると、町には中世の頃の雰囲気がそこかしこに残っています。つまりはサン・ジミニャーノは、周りの経済発展に取り残された町だったのですね。 もちろん結果としてはそれが幸いして、今や世界遺産となり、小さいながらも大勢の人が訪れる町となりました。しかも「美しき塔の町」という形容までされます。ちなみに塔というのは、中世の人たちにとってのステイタス・シンボルでした。実際、サン・ジミニャーノには今の5倍以上の塔が立っていたといいます(当時は都市国家を形成していたのです)。

サン・ジミニャーノの観光スポット

サン・ジミニャーノの旧市街は今も市壁に囲まれていますが、やはり町の中心にある「ドゥオーモ広場」周辺に見所がかたまっています。まず目に付くのは51mの高さを誇る「ロニョーザの塔」と、54mの「グロッサの塔」です。グロッサの塔は市庁舎の中にありますが、183段の階段さえ登れば、塔からトスカーナの丘陵地帯が見渡せます。また、市庁舎の3階は市立美術館になっていますし、神曲で有名なダンテが演説した「ダンテの間」も残されています。 もちろん、広場の一角にある「参事会教会」も見学しておいて損はありません。外観は質素なロマネスク様式ですが、内部のフレスコ画の鮮やかさには目を奪われますし、『聖女フィーナの生涯』(ギルランダイオ作)は一見の価値があります。 町をひと通り散策したら、ドゥオーモ広場の隣にある「チステルナ広場」で一杯やるのも悪くはありません。トスカーナ名産の美味しいワインが味わえます。